作品説明
伝説の終幕を目撃せよ! 15年の歴史に幕を下ろした成人誌の金字塔、その最期の輝き

こんにちは、同人作品レビューサイトのライターです。
今回はいつもの同人誌レビューとは少し趣向を変えて、ある「歴史的資料」とも呼べる一冊をご紹介します。
電子書籍全盛の現代において、かつて隆盛を極めた「成人向け漫画雑誌」の存在は、もはやロストテクノロジーに近い輝きを放っています。
今回取り上げるのは、2012年にその長い歴史に幕を下ろした、竹書房が誇る伝説の雑誌の最終号です。
その名も、『ドキッ! 2012年5月号』。
タイトルだけ見れば「古い雑誌か」と思うかもしれません。しかし、ここには1997年から2012年まで続いた15年間の熱狂の終着点があります。
単なる古雑誌ではありません。これは一つの文化が終わりを迎えた瞬間の記録であり、作家たちの魂が込められた墓標でもあるのです。
なぜ今、この作品(雑誌)を読むべきなのか。その魅力を熱く語っていきましょう。
作品の概要
まずは、この『ドキッ! 2012年5月号』という作品が置かれている状況を整理しましょう。
収集したデータに基づくと、本誌のスペックは以下の通りです。
- タイトル:ドキッ! 2012年5月号(Dokiッ! : ドキッ!)
- ジャンル:成人向けマンガ誌
- 発行元:竹書房
- 巻号:16巻4号(通号218号)
- 発売日:2012年4月14日
- 特記事項:以後休刊
このデータの中で最も注目すべきは、国立国会図書館の書誌情報にも刻まれた「以後休刊」の4文字です。
本誌は1997年11月に創刊されました。そこから足掛け15年、通算218号にわたり、数多の紳士たちを唸らせ、抜き差しならぬ夜のお供をしてきた名門誌です。
2012年といえば、スマートフォンが普及し始め、コンテンツの消費形態が劇的に変化しようとしていた過渡期。紙媒体の雑誌が次々と姿を消していく中で、本誌もまたその役割を終えることとなりました。
つまり、この「2012年5月号」は、シリーズ完結編なのです。
連載作品の最終回が掲載されている可能性も高く、雑誌全体が「別れ」と「感謝」の空気に包まれていることは想像に難くありません。
通常の号とは訳が違います。編集部、作家、そして読者。関わる全ての人間が「これが最後だ」という想いで作り上げた、極めて純度の高い一冊と言えるでしょう。
サークルの紹介:商業出版の雄「竹書房」
今回は同人誌ではなく商業誌のご紹介となるため、サークル枠として発行元の「竹書房」について触れておきましょう。
同人界隈でも、その名を知らぬ者はいないでしょう。
- 圧倒的なジャンル幅:4コマ漫画、麻雀、実話怪談、そして成人向け。あらゆる欲望とエンタメを網羅する出版社。
- 「ドキッ!」の立ち位置:数ある竹書房の成人誌ラインナップの中でも、長きにわたり中核を担ってきた存在。
- 作家発掘の場:多くの有名成人向け作家が、この雑誌や竹書房の媒体で腕を磨き、世に出て行きました。
我々が普段愛好している同人作家の中にも、実はこの時代の竹書房にお世話になっていた、あるいはデビューのきっかけを掴んだという先生方は数多く存在します。
いわば、「現代のエロ漫画文化の礎を築いた巨大サークル」と言っても過言ではありません。
商業誌特有の厳しい編集チェック、クオリティ管理、そして読者アンケートによる生存競争。
それらを潜り抜けて掲載された作品群は、同人誌とはまた違った「プロの矜持」に満ちています。
「未設定」となっているサークル欄の背後には、編集者たちの汗と涙、そして竹書房という出版社の歴史が重厚に横たわっているのです。
見どころポイントや独自の感想
さて、ここからは実際にデータから読み取れる情報と、当時の空気感を踏まえた独自のレビューを展開します。
この『ドキッ! 2012年5月号』、何がそんなに凄いのか?
1. 「最終回」のオンパレードという祝祭感
雑誌の休刊号において最も熱いポイント、それは「多くの連載作品が同時に最終回を迎える」という点です。
通常、連載の終了時期は作品ごとにバラバラですが、雑誌自体の終了に伴い、多くの作家がこの号に合わせて物語を畳みに来ます。
それはすなわち、「作家の本気」が凝縮されているということ。
打ち切りに近い形であれ、円満終了であれ、ラストシーンには作家の力量が試されます。
ページをめくるたびに訪れる「完」の文字。その一つ一つに込められた情感は、通常の号では味わえないカタルシスを読者に与えてくれるはずです。
まさに、エロ漫画界の「アベンジャーズ・エンドゲーム」状態!
2. 2012年という「時代の空気」の保存
2012年のエロ漫画は、画風やシチュエーションにおいて非常に面白い時期でした。
デジタル作画が完全に定着し、塗りの技術が向上する一方で、まだ90年代~00年代のアナログ的な「濃さ」や「フェティシズム」も色濃く残っている時代。
萌え絵への移行期とも言えるこの時期の絵柄は、今見返すと「懐かしくも新しい」独特の魅力があります。
また、作中に登場するガジェット(ガラケーからスマホへの移行など)やファッションにも、当時の世相が反映されていることでしょう。
エロだけでなく、「2012年の日本」を切り取った民俗学的資料としても楽しめます。
3. 「以後休刊」の寂寥感と美学
国立国会図書館のデータにある「1巻1号(1997年11月) - 16巻4号(2012年5月号)」という記述。
このたった一行に、15年の歳月が流れています。
最終号の編集後記や、目次の端に書かれた挨拶文には、編集部の無念や感謝が綴られていることでしょう。
そうしたテキスト部分まで含めて味わうのが、休刊号の醍醐味です。
「祭りのあと」のような切なさ。
抜き終わった後の賢者タイムに読む編集後記ほど、心に染みるものはありません。
単なるオカズとして消費するのではなく、一つの雑誌の「死」を看取る立会人として、この一冊に向き合ってみてください。
こんな人におすすめ
この『ドキッ! 2012年5月号』は、以下のような紳士淑女に猛烈におすすめします。
-
歴史の証人になりたい方
一時代の終わりを目撃し、その記憶を継承したいと願うアーカイブ志向の方。通号218号の重みを感じてください。 -
2010年代初頭の絵柄・シチュエーションが好きな方
現在の流行とは一味違う、あの頃の「濃い」エロ漫画を求めている方には、宝の山に見えるはずです。 -
「最終回」フェチの方
物語が終わる瞬間の輝き、作家が振り絞る最後の熱量。それが好きな方には、全編クライマックスの本書はたまらないご馳走です。 -
竹書房ファンの方
竹書房の歴史を知る上で欠かせないピースです。出版社のカラーが色濃く出た誌面構成を楽しんでください。
さあ、失われた時を求めて。
休刊から10年以上が経過した今だからこそ、当時の熱狂を再評価する意義があります。
『ドキッ! 2012年5月号』。
それは単なる古い雑誌ではありません。我々の先輩たちが愛し、興奮し、そして別れを惜しんだ、魂の記憶装置なのです。
ぜひこの機会に、その「最後の鼓動」をあなたの目で確かめてみてください!




